二〇〇六年六月二十九日(木) 旧暦 6/4 己丑(土の弟) 夏至

<一年限定:大谷能生の朝顔観察日記

(注意:朝顔は観察しません。すいません。)

この日で僕は三十四歳になったらしい。三十四歳というとチャーリー・パーカーとかアルバート・アイラーとか、色々な人がバタバタ自滅的な死を死んだ年齢で、キリストとジャコ・パストリアスとか、若い頃から自分のテーマが決まっていた人間がやりたいことをやりつくしてメートル振り切ったままバイバイするのが大体この辺りである。ドルフィーは36だっけか。彼の命日は確かこの六月二十九日だ。僕にはそういった夭折の恐れはないけど、ここ数ヶ月、気力知力体力ともに著しく衰えを感じていて、連絡ミスはするは不用意なメールで失礼を働くは、ちょっと飲みすぎた次の日は夕方まで動けないし、歯を磨くと歯ぐきから血が出る。自戒の念を中心に据えて、千葉君が作ってくれたこのスペースに、いい機会なので一年限定で日記を書いてみようと思う。実は僕はこれまで一度も日記を付けたことがなくて、ものぐさだし、夜はだいたい酒を飲んでるから文章なんて書けないし、でも気まぐれでちょっと日記をやってみることにした。日記を創作の為のメモと考えると色々なトレーニングが出来るような気がする。備忘録というよりも記憶の技法の一種として短文を一年続けてみたい。すぐやめるかもしれないけど。イカスミとウニのパスタを作って、元町UINONで買った白身魚のフライで赤白ワインを飲んだ。